神戸大学国際人間科学部
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アセスメント
子どものメンタルヘルスの問題(不安、うつ、怒りなど)への理解と支援に活用できるアセスメント方法の1つとして、信頼性・妥当性が確認された子どもの自己評定式、親 (保護者) 評定式、および、教師評定式の尺度をご紹介しています。各尺度の使用方法や許可に関しては、引用文献をご参照いただくか、開発者(引用文献の著者など)へ直接お問い合わせください。私が第一著者として作成・翻訳した質問紙については、臨床目的や研究目的でご使用される場合に許可は必要ありません。当該尺度の内容(教示文、項目、リッカートなど)に関するご質問等がありましたら、お気軽にご連絡ください。
・不安に関連する認知的変数(自己陳述、認知の誤り)
・不安に関連する行動的変数(回避行動)
・うつに関連する認知的変数(自動思考、推論の誤り、非機能的態度)
・うつに関連する行動的変数(快活動、社会的スキル)
・怒りに関連する認知的変数(自動思考、認知の誤り、社会的情報処理)
・怒りに関連する行動的変数(攻撃行動、問題解決スキル)
・全般的指標(内在化問題、外在化問題)
・ポジティブ指標(ウェルビーイング、自己効力感)
・破壊的行動症(素行症、反抗挑発症)
・神経発達症(ASD、ADHD)
・親の養育行動(肯定的養育行動、否定的養育行動)
【子どもの不安】
子どもの不安症状を測定する自己記入式尺度です。SCASの短縮版として作成されており、1因子8項目で構成されています。抑うつ症状と中程度の正の相関が確認されています。本尺度は、学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
石川 信一・石井 僚・福住 紀明・村山 航・大谷 和大・榊 美知子・ 鈴木 高志・田中 あゆみ. (2018). 短縮版児童用不安尺度 (Short CAS) 日本語版作成の試み―青年を対象とした信頼性と妥当性の検討―. 不安症研究, 10(1), 64-73.
子どもの不安症状を測定する自己記入式および親評定式尺度です。1因子または6因子38項目で構成されています。本尺度は、分離不安症、社交不安症、強迫症、パニック症、全般不安症、限局性恐怖症に関する不安症状を測定することが可能です。本尺度は、子どもの不安とうつに対する認知行動療法(にげチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Ishikawa, S. I., Sato, H., & Sasagawa, S. (2009). Anxiety disorder symptoms in Japanese children and adolescents. Journal of Anxiety Disorders, 23(1), 104-111.
Ishikawa, S. I., Shimotsu, S., Ono, T., Sasagawa, S., Kondo-Ikemura, K., Sakano, Y., & Spence, S. H. (2014). A parental report of children’s anxiety symptoms in Japan. Child Psychiatry & Human Development, 45, 306-317.
【不安の認知的変数】
児童用自己陳述尺度 (Children's Self-Statement Scale: CSSS)
子どもの不安症状に関連する自己陳述を測定することができる自己記入式の尺度です。2因子40項目から構成されています。「ネガティブ自己陳述」と「ポジティブ自己陳述」を測定することが可能です。ネガティブ自己陳述は不安症状や抑うつ症状との正の関連が確認されており、ポジティブ自己陳述は抑うつ症状の正の相関が確認されています。
【引用文献】
石川 信一・坂野 雄二. (2005). 児童における自己陳述と不安症状の関連. 行動療法研究, 31(1), 45-57.
石川 信一. (2012). 中学生における自己陳述と不安症状・抑うつ症状との関連. 心理臨床科学, 2, 3-13.
青年用推論の誤り尺度 (Cognitive Errors Scale for Adolescents: CES-A)
青年(中高生)の推論の誤り(認知の誤り)を測定することができる自己記入式の尺度です。1因子または2因子16項目から構成されています。「過度の注目」と「過度の自責」の2因子から推論の誤りを測定し、不安症状や抑うつ症状との関連が確認されています。本尺度では、不安やうつを喚起するような具体的な場面を提示した上で、その場面に対する推論の誤りの程度を測定します。
【引用文献】
岸田 広平・石川 信一 (2016). 青年期における推論の誤りの因子構造および抑うつ症状と不安症状との関連の検討. 認知療法研究, 9, 150-160.
児童用認知の誤り尺度 (Children’ Cognitive Errors Scale: CCES)
小中学生の認知の誤りを測定することができる自己記入式の尺度です。1因子20項目から構成されています。不安症状や抑うつ症状に関連する認知の誤りとして、「破局的な思考」「過度の一般化」「個人化」「選択的な抽出化」を測定することが可能です。本尺度では、不安やうつを喚起するような具体的な場面を提示した上で、その場面に対する認知の誤りの程度を測定します。
【引用文献】
石川 信一・坂野 雄二. (2003). 児童における認知の誤りと不安の関連について: 児童用認知の誤り尺度 (Children's Cognitive Error Scale) の開発と特性不安の関連の検討. 行動療法研究, 29(2), 145-157.
Ishikawa, S. I. (2012). Cognitive errors, anxiety, and depression in Japanese children and adolescents. International Journal of Cognitive Therapy, 5(1), 38-49.
【不安の行動的変数】
子ども用回避行動尺度 (Children’s Avoidance Behavior Scale: CABS)
子どもの回避行動を測定する自己記入式尺度です。1因子16項目から構成されています。認知/行動的回避行動や能動/受動的回避行動を測定ことが可能です。子どもの回避行動は、不安症状や抑うつ症状と関連があることが確認されています。本尺度では、不安やうつを喚起するような具体的な場面を提示した上で、その場面に対する回避行動を測定します。本尺度は、子どもの不安とうつに対する認知行動療法(にげチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
岸田 広平・石川 信一 (2017). 児童における回避行動の頻度と機能に関する検討. 心理臨床科学, 7, 3-16.
子ども用回避自己評定尺度 (Avoidance Self-Rating Scale for Children: ASRS-C)
子どもの回避行動を測定する自己記入式尺度です。1因子16項目から構成されています。本尺度は、親評定式尺度としても利用できます (子ども用回避親評定尺度 : Avoidance Parent-Rating Scale for Children: APRS-C)。不安場面での回避行動 (8項目) と抑うつ場面での回避行動 (8項目) からなり、受動的回避や認知的回避を含む回避行動を測定することができます。子どもの回避行動は、不安症状や抑うつ症状と関連があることが確認されています。
【引用文献】
岸田 広平・田辺 雄一・津田 征海・石川 信一 (2024). 子どもと親の複数評定に基づく子どもの回避行動に関する検討. 日本認知・行動療法学会 第50回大会(ポスター発表).
【子どものうつ】
子どもの抑うつ症状を測定する自己記入式尺度です。1因子または2因子18項目で構成されています。本尺度は、子どもの不安とうつに対する認知行動療法(にげチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Denda, K., Kako, Y., Kitagawa, N., & Koyama, T. (2006). Assessment of depressive symptoms in Japanese school children and adolescents using the Birleson Depression Self-Rating Scale. The international journal of psychiatry in medicine, 36(2), 231-241.
子どもの抑うつ症状を測定する自己記入式尺度です。DSRS-Cの9項目短縮版として開発されています。本尺度は、学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
並川 努・谷 伊織・脇田 貴文. (2011). Birleson 自己記入式抑うつ評価尺度 (DSRS-C) 短縮版の作成. 精神医学, 53(5), 489-496.
【うつの認知的変数】
児童用自動思考尺度 (Automatic
Thoughts Inventory for Children: ATIC)
子どもの抑うつ症状に関連する自動思考を測定することができる自己記入式の尺度です。4因子16項目から構成されています。ネガティブな自動思考として「自己の否定」と「絶望的思考」、ポジティブな自動思考として「将来への期待」と「サポートへの期待」を測定することが可能です。いずれの自動思考も抑うつ症状との関連が確認されています。
【引用文献】
佐藤 寛・嶋田 洋徳. (2006). 児童のネガティブな自動思考とポジティブな自動思考が抑うつ症状と不安症状に及ぼす影響. 行動療法研究, 32(1), 1-13.
児童用非機能的態度尺度 (Dysfunctional Attitudes Inventory for Childre: DAIC)
子どもの抑うつ症状に関連する非機能的態度を測定することができる自己記入式の尺度です。2因子13項目から構成されています。「破局的・絶望的態度」と「賞賛・承認欲求的態度」を測定することが可能です。「破局的・絶望的態度」は抑うつ症状や不安症状との関連が確認されています。
【引用文献】
佐藤寛. (2005). 児童の非機能的態度が抑うつ症状と不安症状に与える影響. 行動療法研究, 31, 177-187.
児童用認知の誤り尺度改訂版 (Children’ Cognitive Errors Scale - Revised: CCES-R)
子どもの抑うつ症状に関連する推論の誤り(認知の誤り)を測定することができる自己記入式の尺度です。児童用認知の誤り尺度 (Children's Cognitive Error Scale) の改訂版として作成され、1因子17項目から構成されています。抑うつ症状と不安症状に関連する認知の誤りとして、「破局的な思考」「過度の一般化」「個人化」「選択的な抽出化」を測定することが可能です。本尺度では、不安やうつを喚起するような具体的な場面を提示した上で、その場面に対する推論の誤り(認知の誤り)の程度を測定します。
【引用文献】
佐藤 寛・石川 信一・新井 邦二郎. (2004). 児童の体系的な推論の誤りが不安障害とうつ病性障害の症状に及ぼす影響. 行動医学研究, 10, 73-80.
【うつの行動的指標】
子どもの快活動(楽しい活動)を測定する自己記入式尺度です。1因子20項目から構成されています。子どもの快活動が高くなると、抑うつ症状が低くなることが関連することが確認されています。本尺度は、子どもの不安とうつに対する認知行動療法(にげチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
岸田 広平・石川 信一 (2019). 子ども用快活動尺度の作成および信頼性と妥当性の検討. 認知行動療法研究, 45, 61-72.
中学生用社会的スキル自己評定尺度 (Self-rating Scale of Social Skills for Junior High School Children: SSS-J)
中学生の社会的スキルを測定する自己記入式の尺度です。全25項目から構成されています。本尺度は、向社会的スキル、引っ込み思案行動、攻撃行動、を測定することが可能です。学校での社会的スキル訓練の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
嶋田 洋徳 (1998) 小中学生の心理的ストレスと学校適応感に関する研究. 風間書房.
小学生用社会的スキル自己評定尺度 (Self-rating Scale of Social Skills for Elementary School Children: SSS-E)
小学生の社会的スキルを測定する自己記入式の尺度です。全15項目から構成されています。本尺度は、向社会的スキル、引っ込み思案行動、攻撃行動、を測定することが可能です。学校での社会的スキル訓練の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
嶋田 洋徳 (1998) 小中学生の心理的ストレスと学校適応感に関する研究. 風間書房.
嶋田 洋徳・戸ヶ崎 泰子・岡安 孝弘・坂野 雄二. (1996). 児童の社会的スキル獲得による心理的ストレス軽減効果. 行動療法研究, 22, 9-20.
【子どもの怒り】
子ども用怒り感情尺度 (Anger Scale for Children and Adolescents : ASCA)
子どもの怒り感情を測定することができる自己記入式尺度です。1因子7項目から構成されています。怒り感情は攻撃行動と正の関連があることが確認されています。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
武部 匡也・岸田 広平・佐藤 美幸・高橋 史・佐藤 寛. (2017). 子ども用怒り感情尺度の作成と信頼性・妥当性の検討. 行動療法研究, 43(3), 169-179.
情動反応性指標 日本語版 (Affective Reactivity Index: ARI)
子どもの易怒性を測定することのできる自己評定式および親評定式尺度です。6項目(全般項目1項目)から構成されています。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室およびペアトレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Takahashi, F., Kishida, K., 2020. Disruptive Mood Dysregulation Disorder Symptoms and Emotional/Behavioral Problems in a Japanese Community Sample Aged 6 to 18. The 54th Association for Behavioral and Cognitive Therapies, Virtual Convention.
【怒りの認知的変数】
子ども用怒り自動思考尺度 (Anger Children's Automatic Thought Scale: A-CATS)
子どもの怒りに特徴的な認知の1つである他者に対する否定的自動思考を測定することができる自己記入式尺度です。1因子14項目から構成されています。怒り自動思考は、怒り感情との関連が確認されています。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Kishida, K., Takebe, M., Kuribayashi, C., Tanabe, Y., & Ishikawa, S. (2022). Development of the Anger Children’s Cognitive Error Scale and the Anger Children’s Automatic Thought Scale. Behavioural and Cognitive Psychotherapy, 50, 481-492.
子ども用社会的情報処理尺度 (Social Information Processing Scale for Children: SIPS-C)
子どもの社会的情報処理モデルに基づく特徴的な認知を測定することができる自己記入式尺度です。32項目から構成されています。「敵意帰属バイアス」「対人的目標」「個人的目標」「反応の探索・構成」「向社会的行動の効力予期」「向社会的行動の自己効力」「攻撃行動の結果予期」「攻撃行動の自己効力」を測定することができます。
【引用文献】
準備中・・・
子どもの怒りに特徴的な認知の1つである敵意的な認知の誤り(敵意帰属バイアス)を測定することができる自己記入式尺度です。1因子7項目から構成されています。敵意帰属バイアスは、怒り感情との関連が確認されています。本尺度では、怒りを喚起するような具体的な場面を提示した上で、その場面に対する敵意帰属バイアスの程度を測定します。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Kishida, K., Takebe, M., Kuribayashi, C., Tanabe, Y., & Ishikawa, S. (2022). Development of the Anger Children’s Cognitive Error Scale and the Anger Children’s Automatic Thought Scale. Behavioural and Cognitive Psychotherapy, 50, 481-492.
【怒りの行動的変数】
子ども用攻撃行動尺度 (Aggressive Behavior Scale for Children and Adolescents: ABS-CA)
子どもの攻撃行動を測定することができる自己記入式、親評定式、および、教師評定式尺度です。1因子または3因子9項目から構成されています。子どもの攻撃行動として、「身体的攻撃」「言語的攻撃」「関係性攻撃」を測定することが可能である。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
高橋 史・佐藤 寛・永作 稔. (2009). 小学生用攻撃行動尺度の作成と信頼性・妥当性の検討. 認知療法研究, 2, 75-85.
高橋 史・佐藤 寛・野口 美幸・永作 稔・嶋田 洋徳. (2009). 中学生用攻撃行動尺度の作成と信頼性・妥当性の検討. 行動療法研究, 35(1), 53-66.
児童用社会的問題解決尺度 (Children'sSocialProblem-SolvingScale: C-SPSS)
子どもの社会的場面での問題解決スキルを測定する自己記入式の尺度です。本尺度は、「問題志向」「解決の目標」「解決策の案出」「予期・決定」を測定することが可能です。本尺度は対人的自己効力感と正の相関が確認されています。
【引用文献】
宮田 八十八・石川 信一・佐藤 寛・佐藤 正二. (2010). 児童における社会的問題解決訓練用尺度の開発と訓練の効果 (資料). 行動療法研究, 36, 1-14.
子どものストレス場面を文章提示し、提示場面に直面した際に取りうる行動(対処法の案出)と、向社会的対処と攻撃対処に対する評価を評価(対処法の評価)について自由記述で回答する尺度です。対処法の案出と評価はそれぞれ0-8点で評価します。攻撃行動や怒り感情との関連が確認されています。
【引用文献】
Takahashi, F., Koseki, S., & Shimada, H. (2009). Developmental trends in children’s aggression
and social problem-solving. Journal of Applied Developmental Psychology, 30, 265-272.
【全般的指標】
子どもの強みと困難さアンケート (Strength and Difficulties Questionnaire: SDQ)
子どもの強みと困難さを測定する親評定、教師評定、および、自己評定式の尺度です。25項目からなる構成されています。本尺度は、「情緒の問題」「行為の問題」「多動/不注意」「仲間関係の問題」「向社会的行動」を測定することが可能です。「情緒の問題」と「仲間関係の問題」の合計得点を「内在化問題」、「行為の問題」と「多動/不注意」の合計得点を「外在化問題」と解釈することができます。学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Moriwaki A, Kamio Y (2014). Normative data and psychometric properties of the Strengths and Difficulties Questionnaire among Japanese school-aged children. Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health.2014, 8:1.doi: 10.1186/1753-2000-8-1.
児童用社会的スキル尺度教師評定版(Children's Social SkillsScale: Teacher-Rating Form)
教師から見た児童の社会的スキルと問題行動を測定する教師評定式の尺度です。社会的スキル領域5因子25項目(働きかけ、学業、自己コントロールスキル、仲間強化、規律性)、および、問題行動領域2因子12項目(外在化行動問題、内在化行動問題)から構成されています。本尺度は、学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
磯部 美良・佐藤 正二・佐藤 容子・岡安 孝弘. (2006). 児童用社会的スキル尺度教師評定版の作成. 行動療法研究, 32, 105-115.
【ポジティブ指標】
スターリング子ども用ウェルビーイング尺度 (Stirling children’s well-being scale: SCWBS)
子どものウェルビーイング(幸福感)を測定する自己記入式の尺度です。全12項目から構成されています。本尺度は、「ポジティブな感情状態」と「ポジティブな見通し」を測定することが可能です。本尺度は、精神的健康や自尊感情との正の相関が確認されています。
【引用文献】
Nishida, C., Ishimoto, Y., Takizawa, Y., Katayama, T., & Matsumoto, Y. (2021). Preliminary evidence for the reliability and validity of the Stirling children's well-being scale (SCWBS) with Japanese children. International Journal of Educational Research Open, 2, 100034.
子ども用自己効力感尺度 (Children's Self-Efficacy Questionnaire: CSEQ)
子どもの自己効力感を測定する自己記入式の尺度です。24項目から構成されており、8項目の短縮版が開発されております。本尺度は、積極的行動、挑戦的行動、問題解決行動、努力継続行動に対する自己効力感を測定することが可能です。本尺度で測定する自己効力感は、抑うつ症状と中程度の負の相関、生活満足度と中程度の正の相関、内在化問題や外在化問題と弱い負の相関が確認されています。学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
準備中・・・
児童用一般性セルフ・エフィカシー尺度 (General Self-Efficacy Scale for Children-Revised: GSESC-R)
子どもの自己効力感を測定する自己記入式の尺度です。18項目から構成されています。「安心感」と「チャレンジ精神」を測定することができます。学校でのメンタルヘルス予防教育プログラム(こころあっぷタイム)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
福井 至・飯島 政範・小山 繭子・中山 ひとみ・小松 智賀・小田 美穂子・嶋田 洋徳・坂野 雄二. (2009). 児童用一般性セルフ・エフィカシー尺度. こころネット.
【破壊的行動症】
破壊的行動障害評定尺度 日本語版 (Disruptive Behavior Disorders Rating Scale, Japanese version: DBDRS-J)
子どもの破壊的行動障害群の各症状を測定することのできる親評定式尺度です。4因子45項目から構成されています。不注意症状、多動症状、反抗挑発症状、素行症状を測定することができます。反抗挑発症状は怒り気分と反抗的行動からなる精神症状です。原版開発者であるWilliam E. Pelham教授の許可を得て、バックトランスレーションの手続きを行った上で日本語版を作成しております。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ここチャレ教室およびペアトレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
Kishida, K., Tsuda, M. & Ishikawa, S. (2025) Psychometric Properties of the Japanese Version of the Disruptive Behavior Disorders Rating Scale Reported by Parents. Int J Adv Counselling.
反抗挑戦性評価尺度 (Oppositional Defiant Behavior Inventory: ODBI)
子どもの反抗挑発症の行動を測定することのできる親評定式尺度です。18項目から構成されています。反抗挑発症の可能性を判断するためのカットオフ値が設定されています。
【引用文献】
Harada, Y., Saitoh, K., Iida, J., Sakuma, A., Iwasaka, H., Imai, J., ... & Amano, N. (2004). The reliability and validity of the Oppositional Defiant Behavior Inventory. European Child & Adolescent Psychiatry, 13(3), 185-190.
【神経発達症】
自閉スペクトラムスクリーニング尺度 (Autism Spectrum Screening Questionnaire: ASSQ)
自閉スペクトラム症に関連する症状を測定する親評定尺度です。22項目と短縮版11項目から構成されています。下位尺度として、「独自の興味」「社会性」「友人関係」「癖・こだわり」が算出できます。
【引用文献】
伊藤 大幸・松本 かおり・髙柳 伸哉・原田 新・大嶽 さと子・望月 直人・, 中島 俊思・野田 航・田中 善大・辻井 正次. (2014). ASSQ 日本語版の心理測定学的特性の検証と短縮版の開発. 心理学研究, 85, 304-312.
Conners 3 日本語版
6歳から18歳までの児童青年を対象に、注意欠如多動症 (ADHD) と、関連性の高い問題を評価する尺度です。複数の評定者による回答が可能であり、保護者用110項目、教師用115項目、本人用99項目の3つが用意されています。
【引用文献】
田中 康雄 (監訳) (2017). Conners 3 日本語版 DSM-5対応. 金子書房.
対人応答性尺度 (Social Responsiveness Scale - Second Edition: SRS-2)
日常生活での行動観察から、自閉スペクトラム症と関連する状態を測定する親評定尺度です。65項目から構成されています。下位尺度として、「社会的気づき」「社会的認知」「社会的コミュニケーション」「社会的動機づけ」「興味の限局と反復行動」が算出できます。
【引用文献】
Kamio, Y., Inada, N., Moriwaki, A., Kuroda, M., Koyama, T., Tsujii, H., ... & Constantino, J. N. (2013). Quantitative autistic traits ascertained in a national survey of 22 529 J apanese schoolchildren. Acta Psychiatrica Scandinavica, 128(1), 45-53.
ADHD評価尺度(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder Rating Scale: ADHD-RS)
5歳から18歳までの児童青年を対象に、注意欠如多動症 (ADHD) の症状を測定する尺度です。全18項目でああり、「不注意」9項目と「多動性・衝動性」9項目から構成されます。親評定と教師評定の尺度として使用できます。
【引用文献】
市川 宏伸・田中 康雄 (2008). 児童期・青年期のADHD評価スケール ADHD-RS-5【DSM-5準拠】. 明石書房.
【親の養育行動】
親の養育行動尺度 (Parenting Behaviors Questionnaire: PBQ)
親の養育行動を測定する親評定式の尺度です。32項目から構成されています。肯定的養育行動(肯定的注目、ご褒美、温かさ、自律性の尊重)と否定的養育行動(体罰、叱責、心理的統制)の側面から測定することが可能です。親の否定的養育行動が高くなると、子どもの外在化問題が高くなることが確認されています。加えて、親の肯定的養育行動が低くなると、子どもの外在化問題が高くなることも確認されています。本尺度は、子どもの怒りと反抗に対する心理社会的介入(ペアトレ教室)の効果指標の1つとして使用しています。
【引用文献】
岸田 広平・津田 征海・石川 信一 (2023). 親の養育行動尺度の開発および信頼性・妥当性の検討. 第23回日本認知療法・認知行動療法学会 (ポスター発表).
養育スタイル尺度 (Positive and Negative Parenting Scale: PNPS)
親の養育スタイルを測定する親評定式の尺度です。「肯定的働きかけ」「相談・つきそい」「叱責」「育てにくさ」「対応の難しさ」の5因子の養育スタイル評価する質問紙です。年少から中学3年生までの子どもを持つ親の養育スタイルを測定することができます。
【引用文献】
松岡 弥玲・岡田 涼・谷 伊織・大西 将史・中島 俊思・辻井 正次. (2011). 養育スタイル尺度の作成: 発達的変化と ADHD 傾向との関連から. 発達心理学研究, 22, 179-188.
肯定的・否定的養育行動尺度 (Positive and Negative Parenting Scale: PNPS)
親の養育行動を測定する親評定式の尺度です。肯定的養育行動(「関与・見守り」「肯定的応答性」「意思の尊重」)と否定的養育行動(「過干渉」「非一貫性」「厳しい叱責・体罰」)の両側面から包括的に評価する質問紙です。3歳から高校生までの標準版24項目と、1歳6ヵ月から3歳までのトドラー版が用意されています。
【引用文献】
伊藤 大幸・中島 俊思・望月 直人・高柳 伸哉・田中 善大・松本 かおり・大獄 さと子・原田 新・野田 航・辻井 正次. (2014). 肯定的・否定的養育行動尺度の開発: 因子構造および構成概念妥当性の検証. 発達心理学研究, 25, 221-231.